アメリカのペット事情~NY発信
アメリカNY州で猫と暮らす主婦が見たアメリカのペット事情色々を報告
Facebookの連携プレーで極寒の犬達を救う!
2014/01/13
Mon. 13:39
そんな事を考えさせられる事件が、私が住むNY州で起こりました。
この1月に、NY州をはじめ北アメリカが数十年以来の寒波に見舞われた事は、皆さんも
ニュースで見てご存じでしょう。外の空気に触れると通常は「ひりひり」するのが、この
大寒波が来た1月初旬に関しては
ひりひりではなく、じんじんしました。
5分も外にいたら凍傷になるのではないかと思うほど、空気が冷たかったのです。
そんな時、フェイスブックでこんなトピックを発見。
写真はFBのポスティングから
なんとこの極寒のNY州の、とある町で、ボーダーコリーの繁殖業屋が外に閉じ込めた犬
たちを放ったままにしているという。この光景を見たある青年が、HSUSに助けを求めて
連絡をし、HSUSが彼らのフェイスブックで公開したのです。
写真をクリックで拡大してピンクのマル印で囲ってあるところを見て下さい。小さな仔犬たち
がケージ内にいるのが分かります。こんな冷たい空気にさらしておくとはなんという拷問
これがこのブリーダーの敷地と思われる全光景。
FBにポストした青年はどうやらこの近所に住んでいるようで、すでに2匹の仔犬の死体も
発見しています。私が住む州でもやはりこんな事があるのか、と気にとめていたところ・・・。
青年の3日のポスティングから1週間もたたない9日のローカル新聞のトップに、「ブリーダー
から犬達を保護」という見出しでニュースが載りました。おやっと思っていると、これはその
問題のブリーダーではありませんか。うわー、あんな小さなフェイスブックの問題提起がこんな
結果をどうして出したのか?ビックリしましたねえ。
その背景には、フェイスブックでの見事な市民の連携プレーがあったのです。ぜひ続きをご覧
下さい。
以下、新聞の記事を要約。
7日の火曜日(FBのポストは3日の金曜日)、M地区の動物シェルターのボランティア達と地元の
警察がブリーダーに到着し60匹あまりの犬達を保護した。経営者のWは免許なしの経営違反の
罪で最高裁に起訴され、現時点でブリーダー業を廃業した。この事件は愛犬家の青年のフェイスブック
のポストをきっかけに愛犬家および市民の間で大きな抗議行動が起こったのが発端である。
地元の州警察が調査に入り獣医を呼んだ時点では特に大きな問題を発見できなかったが、青年は
その後も自身のフェイスブックでブリーダーの外の犬たちの写真を載せ続け、フォロアー達に警察や
州知事にクレームの電話をするよう呼びかけた。警察は当時を振り返る。
最初の4時間で数百人の市民からの抗議電話が入ったのだ。これは驚きだった。
青年は2つのアニマルレスキューのページをフェイスブックで運営し、2つ合わせて4万から5万の
フォロアー(いいねボタンを押してポストを定期に見ている人達)がいる。
フェイスブックを通じ、イギリスや、ドイツや、ポーランドの人達からも電話が入り、僕を応援してくれた、
と青年は語る。
この数日の市民のクレームにより、2人のアニマルライト弁護士(注1)により訴訟を起こす書類
がまとめられ、獣医の検閲でブリーダーの保護環境が不適切であったことが認められ警察により
ブリーダーは動物保護法違反で起訴された。
写真左は、青年がフェイスブックで呼びかけたポスター。「皆で州知事に電話をし、パピーミルの
経営基準の法令改正にすぐにサインするようお願いをしよう!」と電話番号付きで書かれています。
写真右は、火曜の夜にブリーダーへ入ったアニマルシェルターのトラック。
新聞には、当の犬達は夜中にいきなり大勢の人が来てキャリーに犬を入れトラックの中に入れて
いくので、恐怖でパニックになって逃げ惑った、とあります。
事件の「被害者」であるワンちゃんたちは、さぞ怖かったことでしょう(苦笑)
ちなみにこちらが青年のフェイスブック公式ページ。
こわもてに入れ墨が怖そうなお兄さんですが、人は見た目で判断できませんね。
彼の写真の数々から、とても犬に優しい筋金入りの愛犬家であることが分かります。
現在ブリーダーから保護された犬達は暖かいシェルターへと移され、里親募集を始めるようです。
結局またここで寄付を募り、愛犬家および善良な市民にしわよせがいくのです。
しかし、おそるべきソーシャルネットワークの力。たった一つの電話でも、大勢がすれば願いは叶う。
ネットを駆使して世の中を動かすことが出来る。小さな力が大きな力へ変わる望みを抱きました。
(注1)アメリカは日本でもよく知られた訴訟社会。日本もそうだとは思いますが、アメリカでは
生活の中の細かい事にそれぞれ専門の弁護士がいます。家の売買や離婚、交通違反なども
弁護士を通して事が進む社会なので、動物専門の弁護士がいても不思議ではありません。
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コメント
飯館村に残された動物たち
はじめまして!
福島県飯館村の警戒区域に取り残されている犬の事を知り、
なんとかできないか模索していまして、こちらに立ち寄りました。
http://cgi2.nhk.or.jp/nw9/pickup/index.cgi?date=140129_1
人も大変な状況におりますので、飼主さんを責めることもできませんが
虐待に近い状況に置かれています。
個人ボランティア活動でシェルターを建築中のようなのですが、
置き去りにされた動物は多く、収容は限られてしまうとのことで、
なんとか飼主のそばで生活することができないか行政に訴えかけ
たいと思っております。
※こちらでのコメントが不適切でしたら削除してください。
セキマイコさん
コメントありがとうございます。
ビデオ観てみました。残されたワンちゃんが繋がれたままでとても
可哀そうで切なくなりました。
飼い主の方たちと仮設住宅に住めないのには理由があるでしょうから
行政に訴えるには、訴える方がそれなりの代替え案とか、提案を用意
する必要があるでしょう。
大きな署名サイトを利用する手もあるでしょうし、近隣県で動物ボラや
レスキューをしてる方々と手を組んで何かできるといいですね。
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